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刑部 真弘; 大貫 晃; 傍島 真
JAERI-M 83-022, 26 Pages, 1983/02
PWR-LOCA時の再冠水過程開始直後における炉心上部の熱伝達は、強い熱的非平衡によって複雑なものとなっている。炉心下端から3235mmの高さで、高速度シネカメラで得た写真は、再冠水開始直後に液滴流と非加熱棒を伝わって流れ落ちる液膜を示していた。その液滴径を計測してみた結果、平均径は約1mmであった。この径は、単管内環状噴霧流で得られる値より大きい。一方、対応するウェーバー数は、従来、加速流中で得られているウェーバー数よりも少し小さい。その場所で得られた液滴流の熱伝達率は、Dittus-Boelter式で評価した対流伝熱項と、Sunらによるネットワーク解析で評価した放射伝熱項の和と、ほぼ一致した。
阿部 豊; 数土 幸夫; 刑部 真弘
Journal of Nuclear Science and Technology, 20(7), p.571 - 583, 1983/00
被引用回数:6 パーセンタイル:60.89(Nuclear Science & Technology)本研究は、PWR-LOCA時の再冠水過程における炉心上部でのクエンチ現象、すなわち、トップクエンチとボトムクエンチの特性を実験的に調べたものである。炉心上部のクエンチ現象の特性は、TRACのような最適安全評価解析コードによってさえ良く予測されていない。本研究により以下のことが明らかになった。(1)炉心上部におけるクエンチ現象は、クエンチ速度とクエンチ温度の関係において、次の3つの型に分類される。(I)発熱棒におけるトップクエンチ、(II)非発熱棒におけるトップクエンチ、及び(III)発熱棒におけるボトムクエンチである。(2)発熱棒でのトップクエンチは、その発熱棒に隣接する非発熱棒を伝わり落ちる液膜の影響を受ける。(3)発熱棒でのトップクエンチ速度は、クエンチ温度の上昇とともに増加するが、それは従来の理論による予測とは反対の傾向である。(4)非発熱棒でのトップクエンチは、従来の理論と同じ傾向をもっている。